The Dramanians 海外ドラマを真面目に見るブログ

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Billions

SHOWTIME (2016年)

ウォール街を舞台に繰り広げられる金融業界サスペンス。
9・11以降ヘッジファンドで巨額の富を築いたアクセルロッドが
野心的な検事チャック・ローズに追われる。
公正取引やインサイダー、利害の衝突、
貧富の差、『1%の億万長者』などがキーワード。
世界の中でも市場主義的なアメリカにて司法の限界をテーマにしている。

何よりもポール・ジアマッティがテレビドラマで初主演。
共演はダミアン・ルイスも米ではHomeland以後の出演であり、その点も注目された。
さらに人気ドラマを渡り歩いてきたマギー・シフ。
ゲストも豪華。
ロブ・モローが高潔でさわやかな役人役で
グリーン先生ことマーク・アンソニーがダーティな判事役で出演。
その他脇役も充実。
キャスティングだけで1回目の視聴率は取れる計算。

1回目はショックなほどつまらなかった。
余韻が残るほど。
がっかりしてしばらく離れていたが
年を越す前にと思って見続けたがはやりつまらない。

原因はたくさんある。
主に30話くらいを12話に無理やりまとめた結果がこうなったという印象。
そうしなければならなかった大人の事情はわからないけれど
失敗の原因もそこにあるのは確実。

1つは集中力を削ぐほどつじつまが合わない場面がある。
司法取引の場面はその最たるもの。
検事の配偶者が起訴される側の幹部というのも不可解。
ありえない。
つじつまを無理やり合わせて過ぎてつまらないシーンもある。
フランケンシュタインドラマだ。

また人物の描き方が粗すぎてついていけない。
特に検事ローズ側の人物描写はグチャグチャ。
見ている方が混乱するし、主演の描き方がこうだと作品もグチャグチャ。
ローズがアックスロッドを執拗に追う理由も
犯罪者だからというだけでは
野心的過ぎる性格からは違和感を覚えるほど執着している。
ローズの父親の描き方も軽すぎる。

さらに伏線も全て緊急着陸のような形で美しくない。
一番不満なのはSM。
SMは良いとして結局脅しのネタにしかできないならやらなきゃいい。
脅しならケイマンに父親名義の口座があった方がまだ良い。
SMを通して夫婦の強い絆と
司法検事であっても秘密があるというネタにしたかったのだろうけど
唖然とするほど全く使えていない。

最終話くらいは良いのではないかと思ったが
終盤もひどかった。
「私には何も失うものはない」
とタンカを切ったローズの言葉を聞いて頭の中が?だらけ。
まだまだ失うものはたくさんあるでしょうに。
地位もお金もあるし、離婚したわけでもない。
弁護士に転職してアクセルロッドを追うことはできないし。
ゼロからスタートしたアクセルロッドと
何不自由なく育ったローズとの逆転を言いたかったのだろうけど
無理があり過ぎではないだろうか。

制作側に時間の不足と事情があったようには痛いほどわかる。
そうでなかったらよほど傲慢で怠惰な制作陣だ。
しっかり交渉してくれる人がいなかったんだろうか。
もったいない。
ジアマッティの時間がもったいない。
マギー・シフはシーズン2に出ないようだし
ダミアン・ルイスもメインで出ている様子がない。
こちらの2人はまだ人物像がしっかりしていたので
残すキャラクターも反対。
本当にいいのか?SHOWTIME。

テーマは良かったと思う。
ウォール街は使い尽くされた舞台だけど
今現在ドラマでは数少ないネタだし。
相反する環境で育ち、現在の立ち位置も正反対
それが逆転していくというドラマチックな筋も良い。
ただやはりジアマッティに頼り過ぎて
ローズ側の描き方の粗さが目立つのが
瓦を割りたいくらい悔しいし悲しい。
終盤にローズが落ちていくシーンがあるが
序盤に何のフォローもないから
視聴者が親切に空気を読んであげるしかない。
『空気を読んであげる』なんて
6シーズン以上続いた人気作のフィナーレの特権だ。
シーズン1でその特権を使わなければならないのは
かわいそうというか傲慢というか。

SHOWTIMEとして再来年にはHomelandがフィナーレを迎える予定。
来年はツインピークスもあるしドノヴァンはしばらく終わらない。
それでもHomelandが終わるのは大きいはず。
Billionsをサクッと終わらせて
もっと面白いサスペンスを放送した方が良いと思う。

日本ではネットフリックスが配信中。
ネットフリックスらしい好み。
ケーブル、本国で知名度が高く人気俳優、前評判が高い。
本国ではド定番、日本では定番外。
東アジア担当2人くらいでやってるんじゃなかろうか。
最も各国での制作をメインとしているだろうからだけど。
深夜食堂を見るついでに
つまらないBillionsもどうぞ。


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The Americans

2013年 FX

2016年のエミー賞にてハウスオブカードと並び
作品・主演男優・主演女優各賞にノミネイトされたThe Americans。
冷戦時代のアメリカを舞台にKGBのスパイが
アメリカン人と偽りスパイ活動をするサスペンス。
マーゴ・マーティンデイルがゲストで2回もエミーを獲った作品であり
クリエイターが元CIAだったり主演同士が付き合っていたりなど
なかなか話題性もあるが、日本での人気はイマイチ以下と体感している。
現在はあと2シーズン発注済とのこと。
放送終了は80年代前半~中盤なので
冷静終結がフィナーレになるかどうかは未知数。

個人的には大好きな作品の1つ。
序盤は道向かいに越してきたFBI捜査官との駆け引きが
メインになると思い展開を危惧していた。
シーズンを追うごとに案件のスリルよりも
祖国と敵国の狭間での葛藤や
完全なるアメリカ人として育った子供たちの育て方
職務上夫婦になったことへの諦めと希望
1人の人間としての感情と虚しさとの闘いなど
案件以上にスリリングで繊細な描写に前のめりになっていく。
主演2人の現場のKGB、KGBの役人、ロシア、FBIの4つの視点があり
見飽きない程度のテンポがある。
また、この情報量と細かい描写は映画では無理。
テレビドラマの豊富な時間を使わなければ描けないところも気に入っている。
おかげですっかりケリ・ラッセルのファンになった。
さすが身のこなしも美しい。
おでこに浮き出た血管まで美しく感じる。
マシュー・リスはどこに出てても外さない安定感がある。
使い勝手の良い素晴らしい俳優。

マッドメンもそうだったけれど
米国のリアルタイムではない作品は日本でのヒットはとても難しい。
アメリカンズもまずヒットは無理。
ただ、マッドメンよりは時代背景は飲み込みやすいし
職業もスパイなのでわかりやすい。
さらに冷戦についてちょっと知りたいなどの気持ちもあれば必見。
ただ、やや重い作品。
ポスターなどのアートワークもおしゃれなので軽そうだけれど
軽めのスパイものでは決してないので注意。

現在日本ではネットフリックスで最新シーズン4まで視聴可能。
秋の夜長にぜひ重めのスパイドラマを。
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第68回 エミー賞総括

ABC (2016年)

今年はジミー・キンメルが司会ということもあり
なんだか久しぶりに落ち着いて見れたエミー。
自虐ネタや持ちネタ(マット・デイモン)もしっかり押さえ
冒頭でジェフリー・タンバーにトロフィーを渡すなど
相変わらず大物をいじるのが上手く
飽きさせない番組だった。

<ダウントンアビー>
今年は常連ダウントンアビーがフィナーレを迎えた。
最後のノミネイトとなったものの受賞は逃した。
それでも輸入番組として人気を博し続けた功績はすばらしい。
個人的には第1回目のオープニングを見たときの高揚感は今でも忘れられない。
昼ドラ的な展開に辟易する人でも
ダウントンアビーを面白くない、という批評できないことが多かったのは
マギー・スミスの軽快な毒舌のおかげだったと思う。
何度見ても飽きない。
新しいシーズンが見れないのは本当に本当にさびしい。

動画を整理したらこんなのが出てきた。
マシュー役だった今を時めくダン・スティーヴンスが
グレアム・ノートンshowに出演したときの動画。
番組内は皆ハッピー幸せ絶頂だった中で
マシューが事故死したエピソードはダウントンファンの中でも衝撃だったわけだが
その回の直後のツイッターでのリアクションをまとめたもの。
爆笑したけど、当時は私もディスプレイに向かって
「はぁぁぁぁああああ~?」
と叫んだっけな。


<王者ゲーム・オブ・スローンズ>
2年連続受賞。
今年はハウス・オブ・カードも素晴らしかったし
ホームランドもいつものごとく全く目が離せなかった。
アメリカンズは元々良い作品だったけど
終盤の緊張感とドラマチックな展開はシリーズの中で群を抜いていた。
ゲーム・オブ・スローンズは大好きだ。
とてもとても面白い。
誰がつまらないといっても見続ける。
だからもう、ゲーム・オブ・スローンズは別枠でいいんじゃないか。
エミーに『今年のGOT賞』を作って一番素晴らしかった瞬間に賞をあげたらいい。
そういえば、エミリー・クラークは助演なんだ。
意外。

<ラミ・マレック>
今年のベストスピーチ。
みんなが今年は彼だと思っていたけれど本人は違っていたようだ。
作品も面白いが
主人公のエリオットがどうなってしまうのかが最大のポイントであり見どころ。
日本ではアマゾンで見れます。

<助演俳優>
男女ともに受賞してほしい人が受賞。
珍しい。
Bloodlineのベン・メンデルソンと
マギー・スミス。
今日はぐっすり眠れそう。

<ジェームス・コーデン>
今年番組で2つ受賞。
1つはジェニファー・ロペスとの共演。
完璧すぎて笑いが止まらないドライブカラオケは必見。
来年のエミーの持ち回りはCBS。
そのホスト最有力がこちらのジェームス・コーデン。
トニーのホストも無難にこなしたのでまぁ間違いない。
ミュージカル好き、カラオケ好きで太めでテディベアな風貌だが
賢く、自虐的で、政治に寄らない。
大統領夫人はカラオケに出しても
大統領候補とかも出ない。
政治や時事を鋭く面白く言うホストがひしめき合う中で
完全に弾けた感じのホストを待ってた。
待ってた、ってコナン以来待ってた。
女性アーティストの歌を振り付きで完璧に歌う当たりはオネエ系。
日本で配信したら絶対ウケる。
HuluJapan、よろしく。




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Preacher

AMC (2016年)

ガース・エニスの人気アメコミが原作。
すでに映画かもされており認知度は十分。
メインは悪魔祓い。
日本人も陰陽師的なのが好きだろうけれど
アメリカン人はもっとオカルト好きなので
悪魔祓いとなれば大きくは外れない。

主演は英国人俳優ドミニク・クーパー。
個人的に新裕次郎的存在の中でも筆頭。
どこにいても何に出てても主演になってしまうあたりが裕さんと同じ。
AMCは裕さん的な俳優の使い方が上手。
ドミニク・クーパーはとても素晴らしい俳優だけれど
彼をより格好良く見せている。
ミスフィッツの功績から怪奇的な役がハマっているジョゼフ・ギルガンも出演。
せス・ローガンが制作に入っているのも注目だった。

評価的には中の上といったところ。
二次元と三次元の狭間で悩んでしまっているようにも感じる。
特にアクションシーンは悪くはないけれど、興奮はしない。
原作ファンは少しもどかしいかも。
ただシーズン1を見た限りでは期待感は薄れない。
原作もあるから手堅い印象はある。
2シーズン目も決まったようで一安心。

悪魔祓いとか悪魔憑きが乱立している昨今だけれど
医療ものなどと同じで視聴者も飽きていない。
個人的にはそろそろドミニク・クーパーに主演男優のノミネイトくらいは
上げてほしいと思っているけれど
オカルト系なのでどうなることやら。




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Game of Thronesとベルセルク

現地米ではシーズン6が終了して間もないのに
すでにシーズン7の話題でもちきりの人気作。
ゲームオブスローンズを見ているというだけで友達ができるので
留学や長期の渡航の予定のある人は必見。

そして、全く驚きはないけれど
日本の人気とは大きく差がある作品の1つ。
中世のヨーロッパ的な作品はウケが悪い。

個人的にはどちらもそれほどファンではない立場から言うと
ゲームオブスローンズを見ているとベルセルクを思い出す。
ベルセルクの方が強烈な印象がある。
ゲームオブスローンズはベルセルクに比べると圧倒的に性描写が多い。
両方のファン数人に質問してみたけれど
片方のファンはもう片方の作品を見てもいない。
作品名すら知らないことも多かった。
メンタリストとかサイクとかシャーロックとか
マイルドな描写の解決モノが好きーという人はいた。
二次元と三次元の差はとても大きく
クロスオーバーすることはとても少ない。
他人の趣味嗜好は聞けば聞くほど本当に興味深く面白い。

ゲームオブスローンズの動画配信は長く現実にならなかったが
今春からHuluで配信が開始された。
しかもシーズン5まで一気に見れる。
さすがHuluJapan。
米ドラマが好きな人が多いんだな。
ゲームオブスローンズの面白さを知ってほしいという気持ちが伝わる。

終了まで人気は出ないと思うけれど一応…
ゲームオブスローンズの魅力と言われているのは
暴力的なシーンの多さと過激な性描写。
ただ、グロさでは敵を人間扱いしているという点では
ウォーキングデッドの方が上。
ストーリーが進んで、ラムジーが出てくるといい勝負になるけど
そういうのが見たい人は20時間以上待たなければいけないので
時間を浪費するだけだと思う。
個人的に魅力だと思うのは
オタクの心をくすぐる複雑な相関関係と登場人物の多さ。
数えきれないほどの視点人物がいて
いくつもの場面が同時に進んで行く。
私もオタク気質なので
疲れているときにこういうのを見ると良い気分転換になる。
そうじゃない人は手を出さない方が良いかも。
少なくともシーズン6終了までは誰1人幸せになれないので
良い話を聞きたい人は見るだけ時間の無駄。
ここまで話を複雑にしても
チープさがないのは見ていて気持ちが良い。
あと、ギャラクティカなんかが好きな人は
SFじゃないとか言わずに是非見てみてほしい。

しばらく見てもらうと
「米人ってオタクが多いのね」
ということがわかります。



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